2023.12.28
甲状腺全摘術後の低カルシウム血症を予防するには
ビタミンDは、体内においてカルシウムのバランスを調節する働きがあります。
海外のこれまでの報告では、ビタミンD濃度の低い人が甲状腺全摘術を受けると、一時的に低カルシウム血症となり、入院期間が長期化することが指摘されていました。
しかし、その後アイルランドで行われた小規模な研究では、甲状腺全摘術を受けた患者さんの24%が低カルシウム血症を発症しましたが、発症しなかった人と比べ、術前のビタミンD濃度に差は無かったとのことです。
カルシウムは、筋肉や神経のはたらきをつかさどる重要な栄養素です。
英国サウサンプトン大学のKirkby-Bott博士は、低カルシウム血症は軽視すべきでないと述べ、「術前にビタミンDを補充しておくなど、低カルシウム血症を予防する対策を考えるべき」と述べています。
(文責:株式会社プロウェーブ《prowave.co.jp》)