2024.03.22
聴性脳幹インプラントは高度難聴の子どもに有効?
近年、高度難聴の治療として、最新テクノロジーを応用した人工聴覚臓器である聴性脳感インプラント(ABI)※が登場しています。
ABIのしくみは人工内耳(CI)とほぼ同じですが、CIが内耳に埋め込まれるのに対し、ABIは脳幹の蝸牛神経核の表面に置かれるという違いがあります。
イタリアヴェローナ大学のColletti博士は、蝸牛神経欠損症(CND)により高度難聴をきたしている子ども537人を対象に調査を行い、ABIを装着した子どもは、CIを装着した子どもにくらべ聴覚パフォーマンステストの結果が良好であることを明らかにしました。
ABIを装着した子どもの中には、簡単な口頭指示を理解でき、身近な人と電話で会話する子どももいたそうです。
Colletti博士は、「生まれつきCNDにより高度難聴と診断されたら、まずは補聴器を装着、次にCIを試して、それでも無効であればABIを検討すべき」としています。
※:日本では保険承認外
(文責:株式会社プロウェーブ《prowave.co.jp》)