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2024.09.20

子どもの急性中耳炎、抗生物質(抗菌薬)投与までしばし待て?

米国小児学会(AAP)のガイドラインでは、健康な子どもが「急性中耳炎」を発症しても、とくに合併症が無ければ、48~72時間待機後に抗生物質を投与することを推奨しています。
しかし南カリフォルニア大学ケック医科大学のLiberman博士らによると、急性中耳炎と診断された子ども247名を対象に行った調査において、57.9%はガイドライン的に待機の対象でしたが、実際に待機を行ったのは4.9%のみでした。
そこでLiberman博士らは、急性中耳炎の子ども千人がガイドラインに従い待機をしたとシミュレーションしたところ、抗生物質投与が205回減り、5,573ドルが節約でき、14.3 DALY(障害調整生存年)※※が回避できていました。
Liberman博士は「子どもの急性中耳炎では、待機を増やすことで医療費が削減でき、子どもの健康状態についてもメリットが生じると期待できる」と述べています。



※:日本の『小児急性中耳炎診療ガイドライン2024年版』では、軽症例に限り、3日間自然経過を観察することを推奨しています

※※:「完全な健康状態を維持したまま理想の寿命を過ごす」ことに対し、「早死と障害によってどれだけ健康な時間が失われたか」を表します。1 DALYは、本来健康な状態で過ごすはずだった人生を1年失ったことを意味します



(文責:株式会社プロウェーブ《prowave.co.jp》)

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