2025.03.28
鼓膜穿孔に対する再生療法、成功のカギがある?
鼓膜の穿孔を閉じるための治療法の一つに、アテロコラーゲンと塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を使用する「再生療法」があります。
愛媛大学医学部の白馬医師は、穿孔が6カ月から83年続いた153人の患者さんを対象に、本治療法に関する検討を行ったところ、治療後3カ月の時点で、5.9 %は直径1mmの穿孔が、9.8%ではさらに大きな穿孔が残りましたが、84.3%の患者は完全閉鎖に至っていました。
結果についてさらに詳しく解析したところ、「鼓膜に石灰化のないこと」「穿孔が鼓室輪という部位にないこと」という2つの要素を満たせば、より良い治療結果が得られる可能性のあることも明らかとなりました。
一方、鼓膜穿孔に対する再生療法については数多くの技術が開発されており、本研究の結果に対し、「この技術が他の技術より優れているとは限らない」とコメントする専門家もいます。
(文責:株式会社プロウェーブ《prowave.co.jp》)