2025.11.28
脳卒中はCT検査で見逃されがち!?
カナダの研究で、めまいで救急外来を受診した患者に対し、頭部CT検査は推奨されないことが示されました。
トロント大学のAtzema医師らによると、末梢性めまいと診断されて帰宅した患者のうち、CTを受けた人は、受けなかった人に比べ1カ月以内に脳卒中を起こすリスクが約2倍に高まっていました。
CTは脳の大部分を見るのに優れますが、小脳や脳幹の病変は見逃しやすいためです。
脳卒中によるめまいは稀ですが重症化しやすく、正確な診断には詳細な診察とMRIが有効とされています。
しかしMRIは多くの救急外来で迅速に実施できないのが現状です。
研究結果は、CTによる「安心感」が逆に見逃しにつながる危険性を指摘しており、将来的には救急外来でMRIをより容易に利用できる体制づくりが望まれています。
※:日本の大学病院、基幹病院では救急外来にMRIが設置され、脳卒中疑いの患者さんには迅速に実施できる体制を持つ施設が増えています。
(文責:株式会社プロウェーブ《prowave.co.jp》)