診療について

小児の耳の症状

ここでは、お子さんに多い耳の病気、トラブルについて解説します。

外耳炎

外耳炎とは

人間の耳は、「外耳」「中耳」「内耳」に分けられますが、その中でもっとも外側にあるのが「外耳」です。
外耳は、外界の音を集め、外耳の奥の「中耳」にある「鼓膜」へと導く役割をしています。
外耳炎は、その名の通り、外耳の部分に炎症が起こっている状態をさします。
外耳炎の多くは、ふとしたことで耳を傷つけ、そこに細菌が感染したことで起こります。
とくに小さなお子さんの場合は皮膚が弱いため、ちょっとした刺激でキズがつき、キズを気にして触る、ひっかくといった行為で症状が悪化しやすくなります。
また最近、スマホゲームや動画鑑賞をするお子さんが増え、イヤホンを使用するケースも増えているようですが、長時間のイヤホン使用は細菌感染を起こすリスクとなります。

耳の構造
外耳炎の症状

外耳炎でよく見られる症状は、耳の痛みとかゆみです。
症状が進むと、耳が腫れ、血の混じった膿が出たり、眠れないほど痛くなったりすることがあります。
言葉でうまく訴えられない小さなお子さんの場合は、機嫌が悪そうにぐずる、耳を気にするしぐさを繰り返す、耳に触れて泣くといった行動がみられることがあります。
このような症状があらわれたときには、すみやかに耳鼻咽喉科を受診して下さい。

外耳炎で耳を痛がるこどものイラスト
外耳炎の治療

外耳炎は、軽症なら自然に治癒しますが、その判断は医師に任せましょう。
耳鼻咽喉科では、まずは専用の器機で耳の汚れや膿などを吸引し、耳を冷やして痛みをやわらげて様子をみます。
炎症や腫れがひどければ、抗菌薬入あるいはステロイド入りの点耳薬(てんじやく)を使用し、症状によって抗菌薬の内服をすることもあります。
早ければ治療を始めてから1~3日ほど、遅くても1週間程度で快方に向かいます。

小児の難聴

難聴とは?

お子さんの難聴は、先天性難聴(生まれながらのもの)と、成長過程で起こる難聴に分けられます。
先天性難聴の原因は、遺伝や早産・奇形、母親の妊娠中のウイルス感染などが関係し、新生児約1,000人に対し1人の確率と言われています。
一方、成長過程起こる難聴の原因は、おもに滲出性(しんしゅつせい)中耳炎といわれるもので、鼓膜の内側にある「中耳」に浸出液が溜まり、聞こえづらくなるものです。
耳の聞こえづらさは言葉の発達に影響を与える可能性があるため、早期に発見し、適切に対応することが必要です。

滲出性中耳炎の図
難聴の症状と検査

新生児で先天性難聴がある場合は、「新生児聴覚スクリーニング」というテストで引っかかることがほとんどです。
そこから耳鼻咽喉科で「聴性脳幹反応検査」を行い、音を聞かせたときのお子さんの脳の反応をチェックします。
「新生児聴覚スクリーニング」で問題なしという結果であっても、成長とともに「音への反応が悪い」「言葉をなかなか発さない」という症状がみられることがあります。
その場合は、あらためて先天性難聴を疑い、耳鼻咽喉科を受診して下さい。
また、滲出性中耳炎による難聴の場合、お子さんには「なんとなく聞こえにくい」という自覚症状があるため、周囲が早めに気づいてあげることが大切です。

難聴の治療

先天性難聴の多くは、普通に聞こえる状態にはならないため、早い段階で補聴器を装着します。
それにより、言語発達や、周囲とのコミュニケーションが促されると期待されます。
一方、滲出性中耳炎などによる難聴は、3カ月程度で自然に良くなることが多いのですが、必要に応じて抗菌薬などのお薬を使った薬物療法や、手術療法により聴力の回復をめざす場合もあります。

耳あか除去

耳あかの正体

「耳あか」とは、耳の入口から鼓膜に通じる「外耳道」という部分の皮膚が古くなり、新陳代謝によって少しずつ外へ送り出されたものです。
そこには空気中のほこりや、毛髪なども混じっていますが、耳あかは単に汚れたものの塊ではありません。
鼓膜と外耳道を保護して乾燥を防ぐほか、外界からの細菌や真菌などの侵入を防ぎ、耳を健康に保つ役割もあると考えられています。

耳そうじは不要?

耳かき・耳掃除が好きで、「スッキリする!」と毎日のように耳を触っている人は多いでしょう。
しかし、先に述べたような大切な役割のある耳あかを、頻繁に取り去る必要はありません。
なぜなら、外耳道には皮膚の自浄作用があり、放っておいても不要なものは自然と耳の外へ排出されるようになっているからです。
つまり耳あかは、「何もしない」のが一番、ということです。

耳あかの取り方

「どうしても気になって、耳あかを取りたい」という人は、耳の穴の入口から1センチ先はデリケートな部位であるため、そこを傷つけないようやさしく触れましょう。
強く外耳をこすったり、耳かき棒や綿棒を耳の穴の奥まで入れたりするのも禁物です。
また、外耳道の狭いお子さんの場合は、耳あかが溜まりやすく、耳あかが外耳道を防ぐ「耳垢栓塞(じこうせんそく)」を引き起こすことがあります。
聞こえにくいといった症状を引き起こすため、この場合は耳あかを取り去る方が良いのですが、ご自宅ではうまく取れないことが多いため、耳鼻咽喉科を受診して専門的処置を受けて下さい。

外耳道の図
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