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小児の睡眠時無呼吸症候群

お子さんの夜間の様子で気になることはありませんか?いびきや寝ている時の息苦しさなど、もしかしたら「小児の睡眠時無呼吸症候群」かもしれません。ここでは、小児の睡眠時無呼吸症候群について、分かりやすくご説明いたします。当院では、お子さんのための簡易検査機器を導入しており、数少ない小児の睡眠時無呼吸症候群の検査も行っておりますので、ご心配な場合はご相談ください。

小児の睡眠時無呼吸症候群とは

小児の睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が一時的に止まったり、弱くなったりすることを繰り返す病気です。大人に比べて、子供の場合は発達に影響を及ぼす可能性があるため、早期の発見と治療が大切です。無呼吸や低呼吸が繰り返されることで、体内の酸素濃度が低下し、睡眠の質が悪くなります。これにより、日中の眠気だけでなく、様々な症状が現れることがあります。

小児の睡眠時無呼吸症候群の定義

睡眠時無呼吸症候群の診断基準は、成人と小児で異なります。成人は「10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上」が目安ですが、小児では「呼吸が2回分止まるような状態があれば無呼吸と診断されうる」とより厳しく定義されます。また、重症度も異なり、無呼吸低呼吸指数(AHI)が1以上5未満/時間が「軽症」、5以上10未満/時間が「中等症」、10以上/時間が「重症」と区分されます。これは、小児のわずかな呼吸障害でも、成長発達への影響が大きいことを示しています。

小児の睡眠時無呼吸症候群の定義

小児の睡眠時無呼吸症候群の症状

小児の睡眠時無呼吸症候群に見られる主な徴候としては、夜間の大きないびきや、睡眠中に呼吸が一時的に停止する様子、あるいは呼吸が苦しそうに見えることなどが挙げられます。他にも、寝汗を多くかいたり、寝相が極端に悪くなったりすることもあります。睡眠不足や体内の酸素不足が原因となり、日中にも以下のような様々な症状が現れることがあります。

【睡眠中の症状】
  • 継続的な大きないびき
  • 呼吸が短時間停止する
  • 睡眠が浅く、途中で何度も目が覚める
  • 座ったまま寝てしまうなど、不自然な寝姿勢
  • 呼吸時にみぞおちが大きくへこむ(陥没呼吸)
  • 就寝中に咳き込む
  • 寝汗が多い、おねしょ
【起床時の様子】
  • 寝起きが悪く、なかなか起きられない
  • 朝から不機嫌である
  • 口の中が乾燥している
  • 頭痛を訴える
【日中の様子】
  • 鼻が常に詰まっている
  • 口呼吸をしている
  • アデノイド顔貌(口を半開きにし、舌が突き出たような顔つき)
  • 長時間昼寝を必要とする、幼稚園や学校で居眠りをする
  • 食欲が低下している
  • 些細なことでイライラして怒りっぽい
  • 集中力が続かない
小児の睡眠時無呼吸症候群の症状

小児の睡眠時無呼吸症候群の原因

小児の睡眠時無呼吸症候群の最も一般的な原因は、アデノイドや扁桃腺の腫れです。これらが大きくなると、寝ている間に空気の通り道が狭くなり、呼吸が妨げられます。その他にも、肥満、鼻炎や副鼻腔炎による鼻づまり、顎の骨の発達の問題などが原因となることもあります。お子さんの年齢や体の状態によって原因は異なります。

小児の睡眠時無呼吸症候群と成長期の関連

小児の睡眠時無呼吸症候群は、特に2歳から6歳頃に多く見られます。この時期は、扁桃組織が最も生理的に肥大し、同時に心身の発達が著しい時期です。睡眠は成長ホルモンの分泌や脳の発達に深く関わっており、質の良い睡眠がとれないことは、身体的成長の遅れや、学習能力・集中力の低下、さらには多動性や情緒不安定といった行動面への影響につながる可能性があります。

小児の睡眠時無呼吸症候群の検査と診断

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まずは問診により、睡眠の状況や日中の行動について確認を行います。
問診の結果、検査が必要と判断されれば、「スクリーニング検査(PG検査)」「精密検査(PSG検査)」の順に検査を行っていきます。はなまるクリニックでは、自宅で行える検査を実施しており、お子さんはふだんの環境下で、安心してスクリーニング検査から精密検査までを受けることができます。

小児の睡眠時無呼吸症候群の検査と診断

小児の睡眠時無呼吸症候群の治療法

小児の睡眠時無呼吸症候群の治療法は、原因によって異なります。アデノイドや扁桃腺の腫れが原因の場合は、手術で切除することが最も効果的な治療法です。その他、鼻づまりが原因であれば、点鼻薬や内服薬で治療したり、アレルギーがあればアレルギーの治療を行います。肥満が原因の場合は、体重を減らすための生活習慣の改善指導を行います。

ご自宅で気をつけること

ご自宅では、まずお子さんの寝ている様子を観察してみてください。大きないびきをかいているか、呼吸が止まる瞬間があるか、苦しそうにしていないかなどを確認してください。また、日中の様子も見て、集中力がない、落ち着きがないなどの症状がないか注意してください。もし気になる症状があれば、早めに耳鼻咽喉科にご相談ください。当院では、お子さんのための簡易検査も可能ですので、お気軽にご来院ください。

はなまるクリニックが運営する睡眠時無呼吸症候群の情報発信サイト「e-SAS.jp」では、症状や検査、治療についてなど、わかりやすく説明しています。

睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群の検査と診断
睡眠時無呼吸症候群の治療について
睡眠時無呼吸症候群を悪化させる習慣と見直しポイント
睡眠時無呼吸症候群の自己チェック

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