診療について

PitEye(VRめまい検査)

PitEye(ピットアイ)とは、めまいをはじめとする内耳機能や平衡機能の検査に用いられる医療機器の名称です。ゴーグル型のコンパクトなスペースにVR(バーチャルリアリティ:仮想空間)を再現し、その中で目印となるものを追いかけて眼球の動きをチェックします。肉眼では確認することのできない、こまかな眼球の動きも捉えることが可能です。

PitEyeは、患者さんの目の動きを高精度に解析し、めまいの診断に必要な「眼振(がんしん)」のパターンを詳細に可視化することができる先進的なVR検査システムです。これまで以上に迅速で正確な診断が可能となり、適切な治療やリハビリへとスムーズに繋げられるようになりました。

PitEye(VRめまい検査)

めまいとは

私たちはふだん、外部からのさまざまな刺激を目や耳などの感覚器を通じて受け取っています。そして、その刺激を脳がバランスよく情報として処理することで、からだの位置や姿勢を正しくコントロールできています。

その中で、たとえば何らかの原因で耳に異常が生じ、耳の平衡感覚にトラブルを来すと、実際とは異なった情報が脳に伝えられ、目から感じ取った情報との間にズレが生じることがあります。このような情報のズレによって引き起こされるのが、「めまい」の症状とされています。

めまいに悩む患者さんは全国で約50万人、診断されていない患者さんを含めると約267万人もいるとされています。

めまいは、原因によって非常にさまざまな症状が現れますが、いずれにしても強いストレスや不安を伴いやすく、繰り返し起こることで、日常生活において非常に大きな負担となります。

めまいについてはこちら
めまいにおける検査の重要性

めまいの原因をつきとめ、適切な治療につなげるためには、きめこまかな診断が必要です。そのため、めまいの診断にあたっては、問診をはじめとして、耳や眼球運動、体平衡に異常がないかを調べるべく、さまざまな検査を行います。

なかでも重要なのが、めまいが体のどの部位の異常が原因で起きているのかを確認することです。めまいには、大きく分けて中枢性と末梢性があり、末梢性の場合は耳が原因であることが多く、当院で治療可能ですが、中枢性の場合は脳が原因であることが多いため、脳を専門に診る医療機関を紹介します。そして、それぞれの原因の違いによって、患者さん個々に適切な治療を検討していきます。

めまいの診断になぜ「眼振の観察」が重要なのか?

「眼振」とは、意図せず目が揺れるように動いてしまう現象で、内耳の平衡感覚の異常や、脳の障害によって起こることがあります。
医師はこの眼振の種類や方向、持続時間を詳しく観察することで、めまいの原因を判断していきます。

従来の検査では、肉眼での観察や赤外線カメラを使ったシステムが主流でしたが、十分な暗さを保つ必要がある、視認性が不十分であるといった課題がありました。

PitEyeができること:より高精度な「眼振検査」

PitEyeは、VRゴーグルのような装置を患者さんに装着して行う検査です。
ゴーグル内部に搭載された高性能カメラとセンサーにより、周囲の光を遮断しつつ、リアルタイムで眼球の動きを精密に記録・解析できます。

さらに、VRならではの機能として、視覚刺激を自在に与えることができるため、
・姿勢の変化によるめまい(良性発作性頭位めまい症)
・視線の方向で誘発されるめまい
・前庭機能の異常による眼振
など、さまざまなシチュエーションに対応した検査が可能です。

めまいのおもな種類と原因
  • 中枢性…脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍(てんかん)など
  • 末梢性…良性発作性頭位(とうい)めまい症、メニエール病、突発性難聴など

PitEyeは、めまいが体のどの部位の異常が原因で起きているのかをみきわめることを目的とした機器であり、最適な治療を提供する上で重要な検査となります。

PitEyeでわかる病気の一例

PitEyeは以下のようなめまい疾患の診断に役立ちます。

  • 良性発作性頭位めまい症(BPPV)
  • メニエール病
  • 前庭神経炎
  • 中枢性めまい(小脳・脳幹の障害による)
  • 加齢による平衡障害
  • 頚性めまい、心因性めまい など

めまいは耳からくるもの(末梢性)だけでなく、脳や全身の状態と関係していることも多く、診断には慎重な見極めが必要です。
PitEyeのような高精度な検査機器の活用により、誤診のリスクを減らし、最適な治療方針を立てることができます。

検査項目と所要時間

当院では、PitEyeを使って下記の6種類の検査を実施しています。

自発眼振検査 30秒
注視眼振検査 80秒
急速眼球運動検査 20秒
視標追跡検査(ETT) 45秒
視運動性眼振検査(OKN) 25秒
視運動性眼振検査(OKP) 190秒
検査項目と所要時間

検査の流れ

  • ゴーグル型のVRデバイスを装着します
  • VRデバイス上に、音声と文字が出ます。それに従って検査をすすめます
  • 表にある6種類の検査を順に実施します
  • 所要時間はトータル6分30秒と短時間で終了です

※当日すぐにこれらの検査を行うことが可能です。
※検査終了後はすぐに、VRデバイスとつながっているPCのモニター画面で結果を確認できます。

検査の流れ
このような方はぜひ一度ご相談を
  • 急にめまいが起きて不安な方
  • 慢性的なふらつきが続いている方
  • 「年齢のせい」と言われて放置していたが気になってきた方
  • 他院での診断に納得がいかなかった方
  • 再発を繰り返すめまいに悩んでいる方

早期の検査・診断が、再発予防と生活の質の向上に繋がります。
当院では、耳鼻咽喉科専門医による診察と、最新の機器を用いた総合的な評価に基づき、一人ひとりに合わせた治療をご提案しています。

はなまるクリニックでPitEye(VRめまい検査)を受けるには

はなまるクリニックでは、PitEye(VRめまい検査)を行っています。
つらいめまいの症状を改善するには、正しい診断と適切な治療が必要となります。 早めに受診してくわしい検査を行い、めまいの原因をつきとめましょう。
受診の際は、オンライン受付からご予約をお願いいたします。

診療時間 日・祝
午前 
9:00~12:00

13:00まで
午後 
15:00~19:00
補聴器外来は月曜、土曜のみ(ご予約には受診が必要です)
休診日:水曜、日曜、祝日/土曜は9:00~13:00まで

オンライン受付

携帯電話、スマホ、パソコンから受け付け予約が可能です。

オンライン受付

自動電話予約

受付システムのご案内