副鼻腔炎は、風邪などをきっかけに細菌やウイルスに感染し、副鼻腔の粘膜が炎症を起こす病気です。アレルギー性鼻炎、鼻ポリープにより副鼻腔が詰まることが原因となる場合もあります。
細菌やウイルスに感染し、副鼻腔の粘膜が炎症を起こすと、鼻の中の粘液がうまく排出できなくなります。すると副鼻腔の粘液で細菌やウイルスが繁殖を続け、膿がたまるようになっていきます。
副鼻腔の中で膿がたまると、ドロッとした黄色の鼻水が出るようになったり、目や頬に痛みや圧迫感を感じるようになったりします。また、鼻水の量が増えて、鼻水が鼻の奥から喉に落ちていく「
副鼻腔炎の症状が1カ月程度で治まるものを「急性副鼻腔炎」といいます。風邪や花粉症で鼻水や鼻づまりが長引く時は、急性副鼻腔炎の場合があります。
急性副鼻腔炎が長引いたり、繰り返されたりして、症状が3カ月以上にわたって続く場合は「慢性副鼻腔炎」となります。
最近では、慢性副鼻腔炎の中でも、治療をしてもなかなか治らない「
副鼻腔炎の診断は、副鼻腔内の視診と画像診断が基本となります。副鼻腔内の視診では、電子ファイバースコープなどを用いて鼻の奥を観察し、実際に膿が出ているか、鼻ポリープがあるかなどを観察します。また、副鼻腔内の状態をよりくわしく把握するため、多くの場合は画像診断も行います。
画像診断には、おもにレントゲン、耳鼻咽喉科用CT検査などの方法があります。レントゲン検査は比較的手軽に鼻の中を確認することができ、CT検査は副鼻腔の細かい部位の異常を発見するのに適しています。
耳鼻咽喉科用CT検査についてはこちらほかにも、炎症の程度を確認するため、血液検査を行うこともあります。このとき、細菌に感染して炎症が起こっている場合は、白血球やCRPなどの数値が高くなります。
急性副鼻腔炎の場合は、短期間、殺菌作用のある抗生物質を使用して治療を行います。また、ドロッとした鼻水が出る場合は、余分な粘液を取り去る目的で消炎酵素剤や気道粘液溶解剤と呼ばれる薬を併用し、炎症を鎮めるために解熱鎮痛薬を使うこともあります。
同時に、鼻の中をきれいにするため、副鼻腔にたまった膿を吸引したり、生理食塩水を用いて鼻腔洗浄を行ったりします。
ほかにも、ネブライザー療法と呼ばれる、抗生物質などを含んだ霧状の液体を鼻から吸い込んで副鼻腔に届ける治療が行われることもあります。
慢性副鼻腔炎の場合は、これらの治療に加えて、マクロライド系と呼ばれる抗生物質を2~3カ月かけて投与します。
こうした薬物療法や鼻の中をきれいにする治療で改善しない場合や、いったん良くなったと思っても同じ症状がくり返される場合、鼻ポリープがある場合などは手術療法を検討します。
手術療法にはいくつかの方法がありますが、現在は、鼻の奥に内視鏡を入れて、副鼻腔内の異常な粘膜を取り除いたり、副鼻腔の詰まっている部位を広げたりする「内視鏡下副鼻腔手術」が主流となっています。
なお、先に述べた「好酸球性副鼻腔炎」の場合は、抗生物質を使用しても効果を得にくいため、手術療法が第一選択となります。
副鼻腔炎の症状は不快で、日常生活に支障をきたすこともあります。適切な治療により治る病気ですが、「たかが鼻水」と捉えて放置していると、長引いたり、治りにくくなったりすることがあります。副鼻腔炎が疑われるときは、早めに当クリニックにご相談ください。
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