診療について

小児の のど・口の症状

ここでは、お子さんに多いのどの病気、トラブルについて解説します。

いびき

子どものいびきの原因

いびきというと大人がかくイメージですが、じつは子どもでも、いびきをかく習慣のある子は一定割合でいるそうです。
おだやかないびきであれば問題ありませんが、とても激しいいびきや、呼吸が辛そうな場合は、「アレルギー性鼻炎」や「扁桃肥大」、「アデノイド肥大」といった病気が隠れている可能性があります。
アレルギー性鼻炎では、鼻づまりにより空気の通り道が狭くなるため、いびきをかきやすくなります。
また、扁桃肥大はのどの両側にある扁桃腺と呼ばれるところ、アデノイド肥大は喉の奥にあるアデノイドと呼ばれるところが大きくなる病気ですが、アレルギー性鼻炎と同様、空気の通り道が狭くなることでいびきをかきやすくなります。

扁桃腺図
いびきの問題

いびきがあると、呼吸が浅くなるため夜間にじゅうぶんな睡眠がとれなくなります。
すると、昼間にぼーっとした状態となって集中力が低下し、学校での授業や運動に積極的に取り組めなくなる可能性が出てきます。
また、こどもの成長に必要な成長ホルモンは眠っているときに分泌されるため、いびきをかいてじゅうぶんな睡眠がとれないままでは、心身の成長に大きな影響をもたらす心配も出てきます。
さらに、空気の通り道が狭い状態で無理やり呼吸をするため、胸の骨が変形してしまい、大人になってから漏斗胸(ろうときょう)と呼ばれる中央部分がくぼんだ胸となってしまう恐れもあります。

こどものいびき
いびきの治療

こどものいびきは、その原因ごとに治療を考えます。アレルギー性鼻炎であれば、鼻づまりを改善するための薬物療法を行います。
扁桃肥大やアデノイド肥大であれば、とくに困った症状がなければ様子見をすることが一般的ですが、いびきが続き、日常生活や成長に影響を及ぼす可能性のある場合は、扁桃腺やアデノイドを切除する治療法もあります。
手術は全身麻酔のもとで行われ、通常数日~1週間程度の入院が必要となります。

こどものSAS

子どもでもSAS?

SAS サス(睡眠時無呼吸症候群)というと、はたらく世代の大人に多い病気というイメージがあるかもしれません。
実際、大人の場合は運転や仕事の途中に眠気に気づきやすいのですが、子どもであっても1~3%はSASを発症していると言われています。
子どものSASは、アレルギー性鼻炎や、のどの両側にある扁桃腺と呼ばれるところが大きくなる扁桃肥大、喉の奥にあるアデノイドと呼ばれるところが大きくなるアデノイド肥大が原因であることが多いようです。
扁桃腺やアデノイドが大きくなる理由は不明ですが、アレルギー性鼻炎と同様、空気の通り道が狭くなって無呼吸が起こりやすくなります。

扁桃腺図
子どものSASの症状

本来、子どもはグッスリと熟睡しているものです。
ところがSASを発症すると、毎晩のように睡眠時にいびきをかく、呼吸が数秒間止まる、なんども起きる、寝汗をかくといった症状が現れるようになります。
昼間に集中力が低下し、大事なときでも居眠りをするといった症状があれば、それはSASの影響と考えられます。
また、SASを発症すると、無呼吸が繰り返されるために深い睡眠が得られず、成長ホルモンがじゅうぶん分泌されなくなって成長が遅れるリスクもあります。

子どものSASの治療

SASに対する治療法として、アレルギー性鼻炎が原因の場合は、症状を改善するための薬物療法を行います。
また、子どもであっても、大人と同じように鼻に装着したマスクから空気を送り込む CPAP シーパップ(経鼻的持続陽圧呼吸療法)と呼ばれる治療を行うことが可能です。
症状によっては、大きくなった扁桃腺やアデノイドを切除することで、SASの改善が期待できる場合もあります。
いずれにしても子どものSASは、放置するとお子さんの成長や発達に支障をきたす可能性があるため、なるべく早くに診断を受け、治療を行うことが重要です。

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こどものCPAP

溶連菌感染症

溶連菌感染症とは

子どもが「のどが痛い」と訴えたとき、多くはウイルスや細菌に感染して炎症を起こしている状態と考えられます。
多いのは風邪やインフルエンザなどのウイルですが、ときに「溶連菌」と呼ばれる細菌が原因となってのどに炎症を引き起こすことがあります。
溶連菌は、正式には「溶血性連鎖球菌」と呼ばれ、いろいろな種類がありますが、一般的には「A群溶血性連鎖球菌」による感染が多いとされています。
溶連菌に感染すると、のどの痛みや発熱に加え、舌にイチゴのようなツブツブが出たり、手足に赤い発疹が出たりします。風邪と違って、せきや鼻水が出ないのも特徴です。

溶連菌感染症
溶連菌感染症の治療法

溶連菌に感染していることが分かれば、細菌をやっつける効果のある抗菌薬を用いて治療を行います。
抗菌薬を飲み始めると、2~3日で熱やのどの痛みなどの症状がおさまり、発疹が出たところも徐々に皮膚がむけ、あらたな発疹は出なくなります。
ここで、「もう治ったかな」と思っても、体の中には細菌が残っていることが多く、勝手に抗菌薬を中断すると症状が再発する可能性があります。
そのため溶連菌感染症の治療においては、抗菌薬の種類にもよりますが、5~10日間はしっかり服用を続ける必要があります。

溶連菌感染症で気をつけること

溶連菌は感染力が強いため、まわりの人に感染させる可能性があります。
きょうだいや両親に同じような症状が出た場合は、溶連菌感染症を疑って受診することをお勧めします。
また、まれに溶連菌感染症の合併症として、神経や心臓に障害をもたらすことのある「リウマチ熱」や、「急性糸球体腎炎」を引き起こすことがあります。
こうした合併症は、溶連菌感染症に感染してから数週間後に発症するため、いったん症状が治まった後も、熱のぶり返しやむくみ、褐色の尿などの症状がないかに注意を払う必要があります。

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